2012年09月09日

四番、俳ラの女王 ギネマ【業の樹】

秋深し木槌が響く丑三つや

教会の避雷針が怒りを集めている
行け行けと古柿朽ち柿そそのかし
行秋やお前の手と私の手を貼り付けてやるhl18_495.JPG
藁人形を凝った作りにしてしまい
丑の刻参りの帰りに小腹が空いて夜鷹蕎麦
母の血も父の血も吸う別れ蚊よ
作業員の情夫が韻を踏めよ星月夜
秋蝶の欲深き粉舞い踊り
こんな夜中に何もないから貴方を煮ている
約束が違う花など咲かして
誰かいただろうスイカの縞が証拠だ
泥酔と夜と雷雨と橋だった
ダンゴ虫踏み潰されようとも舌を入れねば
コンクリート固まりぎわで別れ話か
アタシも泣きたいと夜の自販機濡れて
どうしても砂地がいいというカニに見せたい花があった
窓越しのカンナよ先生訳は言えない
入学式の思い出が夜の箪笥から這い出るのです
一家心中 手相の勉強しているんですけど
先祖代々粘着紐の家系なり
仏壇の葡萄をひとつ潰す母
眠ってはならん母が糸を吹く虞がある
夜中に膨らむなぞうちの嫁には向かん
石女が皿割りおってまだ濡れぬというか
風鈴の中に咲きます兄妹心中
責任の大半は女中のホクロにあるのだ
指を吸ってよ月夜の犬みたいに
山茶花を切った鋏はあなたの上
学の無い女の歯型美しき
約束は足の小指に結びけり
逢えぬ夜の熟柿を吸う冷たさよ
磨りガラス割れたら見えなくなったのあたしの越冬つばめ
漆喰から昔の男を呼び戻す
気のふれたスープを今日も分け合いましょう
胃病患者(やみ)川へ行け石を喰え
愛玩便所膝にコールタールの印
実刑はデキモノガ広がる夜の自慰とする
燃えないあたしをカラスが持って行くわ
奇病はカーテンの裏にたいていいる
赤痣にデンデン虫よ恋しいか
爪切りは舌へあててこそ分かるのだ
背中にまでねんごろ病が進んでいる
いい匂いの蟻が二人のベッドにはいって来る
見た事のある蟻が情夫の膝に這っている
あなたの唾液の匂いの蟻が風呂場にいる
髪の長い蟻が黒髪一本置いていく
その嘘つきのヨダレを調べてみろ
そうじゃなくて床下にいるのはあの時の私よ
どうしてと右手が尋ね左手が泣く
赤痣にデンデン虫よ恋しいか
洗濯かごの殺意にカビが生えてしまった
蝿女がハンバーグなんぞに気をとられて
この壁を塗り替えろ蝿女が染み付いている
新しいはずの布団に三人分の唾液が染み付いている
痩せ犬があたしの背中に生えてくるの
裸電球あたしの蛹焼殺せ
いもづる式に乳首黒くなってきた
排水溝で純愛が干乾びている
忘れよ忘れよ掘る穴の先
嘘つきね経血沈殿する夜の浴槽
からっぽの鉛筆突き立てる朝あの人が出来上がる

夜顔の泣き顔萎れて明けにけり

posted by 二健 at 00:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 朗読作品 | 更新情報をチェックする
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