2010年10月27日

七番、俳ラの女王 ギネマ【実録母子草】

七番、俳ラの女王  ギネマ【実録母子草】1母さんがお面を煮ている
仏壇の葡萄をひとつ潰す母
眠ってはならん母が糸を吹く虞がある
夜中に膨らむなぞうちの嫁には向かん
先祖代々粘着紐の家系なり
母ちゃんまた泣いているのかそんな瓶の底で
農協で買ったウジ殺しに目をやる母の小春日
肛門に母さんがこびりつく
公衆便所の鏡が母の漬物部屋につながっていたとは
股ぐらに母ちゃんの墓捏ねてみた
くるぶしで咲いているのは母さんか
子殺しがぺんぺん草を撫でにけり
蝿女がハンバーグなんぞに気をとられて
学の無い女の歯型美しき


父はチェーンソーでボケましたんです
放火しても反省はしてるんだぞと父ちゃぶ台を反す
責任の大半は女中のホクロにあるのだ七番、俳ラの女王  ギネマ【実録母子草】2
大男おっちんじまって蚊もはらえねえ
小男め色塗ったってあほうの窓だろう
胃病患者(やみ)川へ行け石を喰え
愛玩便所膝にコールタールの印
実刑はデキモノガ広がる夜の自慰とする
爪切りは舌へあててこそ分かるのだ
国民の祝日なんだから万引きをしろよ
菊を刈っとけよ菊を寝たきりが焼け残ったじゃないか


燃えないあたしをカラスが持って行くわ
救われた命だから倍にして薄めねば
奇病はカーテンの裏にたいていいる
赤痣にデンデン虫よ恋しいか
帰るたび乾いたミミズが落ちている
口臭を詰めて故郷宅急便
畦道で失くしたおへそが痛いよぉ
思うようにカンロ飴も買えない
赤枕民生委員は黒鞄
饅頭の順番で墓なんか貰って
墓傾いて六本木の交差点渡れず
重箱の隅に住み着く悪いコケシ七番、俳ラの女王  ギネマ【実録母子草】3
洗濯かごの殺意にカビが生えてしまった
痴呆棟だからエントツが大きいのか
純喫茶のくせにおしめを勧めるのか
腹違いでも名誉白人のはずだぞ
葬式をすっぽかして日向の鬼になる
一家心中手相の勉強してるんですけど


激しく生きたミミズが激しく腐っていく
縫い針が奥歯に挟まる彼岸かな
青虫が冷蔵庫でさよならと叫んでいる
私は蟹だが前身あるのみか


タタタタンポポポに触るなああ姉さんがち縮むじゃないかああ
兄さんのムカデになった私のムカデ
兄ちゃんはな兄ちゃんはなと息荒らぐひと夏の経験
母の位牌を濡らす兄の手の匂い
東京の有刺鉄線に円満家族がひっかかる

夢で尚握れぬ手と手の母子草
彼岸の中日に枯れるとは粋な百合であった


オッカアさんと鳴くカラスが濡れておりにけり


七番、俳ラの女王  ギネマ【実録母子草】4
                                                         *Photo by Jiken


posted by 二健 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 朗読作品 | 更新情報をチェックする
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hl_bn01.jpg 【俳ラ綱領】 ■名称:俳句志・もののふの会「独演!俳句ライブ」 ■略称: 「俳ラ」■英文表記:Haiku Reading Solo Performance "HAILA" by Mononofu-no-kai  ■発生:「俳ラ01」 Since 1998.3.1 於JazzBarサムライ  ■コンセプト:「俳句朗読の実践窟*先ず口承ありき*俳の表現かくありき」■三大原則:(1)自句朗読=形式不問 (2)肉声=マイク使用せず (3)独演=共演せず ※鳴り物やBGM使用可。パフォーマンス可。朗読のみ可。 /窓口:SAMURAI (煽動と統括:宮崎二健) jike@n.email.ne.jp /主催:俳句志「もののふの会」~Jiken
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