2008年12月16日

四番、ギネマ【 裸のキッチン 】

足跡がまだ温かい

流しで詰まっているアタシの恋
青虫潰れぬように君を抱こう
逢えぬ夜の熟柿を吸う冷たさよ
私は二人のシーツに住む蟲である
気のふれたスープを今日も分け合いましょう
貴方の唾液かもしれない染みを抱く
ねえ舌を少し貸してと冬苺
どうしてと右手が尋ね左手が泣く
こんなにも愛しているのに味噌汁が薄い
もう何も言うなと電気ストーブ焦げている
年越してものびなかった蕎麦が怪しい
新年の綿埃がチリチリチリチリ焦げている
くちづけを割れた茶碗にするのだった
深いほど絡みおりけり土鍋のシラタキ
君の背は夜のアラビアだね
貴方の指はクロコダイルの夢ね
貴方は船で私はフジツボね秋の海
夜は液体化するの私の恋は    hl15nk625.jpg

夜の穴に堕ちる           

深き風呂に果てり    
身も心も影も
便所にも春は来
餓鬼よ窓を叩け
鏡のせいである

蚊を殺す手で抱く
俺の目を吸うのか
刺すよアタシ蚊だもん
俺の目を縫うのか
行く先告げ蚊去る
俺の目が皿に
もう逢えぬと蚊泣く
君の髭を案ず
上司憎い寿司屋
後輩死んで天下
殺せとトナカイが
サンタさんが怖い

夜まるで墓穴

隣家燃えし初冬
不燃ゴミ拾いて
父が壁に潜む             hl15nk647.jpg
母の夕餉キケン           
母錆びて動かぬ           
夜が母を襲う             
祖母の乳房持ちて        
祖父の首は何処に
兄と風呂で遊ぶ
毛穴に兄が居る
姉のオトコ箱に
妹泣くが無視

夜が巨大化する

舌を吸う果物
今それを出すなよ
この枇杷舌入れる
おーいと呼べど貝
なぜ行くか痩せ犬
影を踏みて独り
いちじく雨に恋
既に耳は攻めた
君を縫いし唾液
抱いてと空に言う
貴方丸めパクリ

こんな夜中に何もないから貴方を煮ている

あの背中に間もなく落とす唾液を密かに吟味す
ある思惑を持ちて熟成に及ぶ舌先
足先を洗うのはあの人を絡め盗る為の準備
あなたの耳にあの種を埋めたわ
紅をさしヤモリけけと鳴く夜伽
モノサシに籠めたる想い熱すぎて諮れず
何故に額が必要であるのか絵にも分からぬ夏蒲団
そこに寝ろお前に蓋して三分も待てぬ
タイル剥がして君を埋めてタイル貼って君を想うタイル綺麗

離れても繋がったまま夏の影法師
芋虫として生きる喜び芋の味
嗚呼あああ痣が動く夜になると
コオロギがさよならさよなら言うている
激しく生きたミミズが激しく腐っていく

残菊や去年からずっと夜が止まらない
あなたの舌で夜を拭って
夜融ける貴方を口にふくみたし
種屋さん彼が生える種はないの?
君に纏わりつきたし花粉として
君の指ねぶる野犬の吠ゆる宵
夜と犬と肉を交互に抱く
対の鳩濡れた窓より放ちけり



足跡がまだ温かい

hl15nk618.jpg
_________________________________(29分)

◇ギネマ Ginema
俳句志「もののふの会」に参加し少しずつ作品を作るが、
実は俳句の勉強はしたことがない下等俳人。
殺人やら自殺やら血なまぐさいことが絶えない家系で、俳句の環境は整っている。
「独演!俳句ライブ」は連続出演更新中。
賞無し罰有り。低学歴低収入。三白眼鮫肌。
▽ギネマ屋敷 
http://www.ne.jp/asahi/hai/ten/ginemaarts1.htm
_________________________________

ラベル:俳ラ15 ギネマ
posted by 二健 at 22:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 朗読作品 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
コチラをクリックしてください

この記事へのトラックバック
hl_bn01.jpg 【俳ラ綱領】 ■名称:俳句志・もののふの会「独演!俳句ライブ」 ■略称: 「俳ラ」■英文表記:Haiku Reading Solo Performance "HAILA" by Mononofu-no-kai  ■発生:「俳ラ01」 Since 1998.3.1 於JazzBarサムライ  ■コンセプト:「俳句朗読の実践窟*先ず口承ありき*俳の表現かくありき」■三大原則:(1)自句朗読=形式不問 (2)肉声=マイク使用せず (3)独演=共演せず ※鳴り物やBGM使用可。パフォーマンス可。朗読のみ可。 /窓口:SAMURAI (煽動と統括:宮崎二健) jike@n.email.ne.jp /主催:俳句志「もののふの会」~Jiken