足跡がまだ温かい
流しで詰まっているアタシの恋
青虫潰れぬように君を抱こう
逢えぬ夜の熟柿を吸う冷たさよ
私は二人のシーツに住む蟲である
気のふれたスープを今日も分け合いましょう
貴方の唾液かもしれない染みを抱く
ねえ舌を少し貸してと冬苺
どうしてと右手が尋ね左手が泣く
こんなにも愛しているのに味噌汁が薄い
もう何も言うなと電気ストーブ焦げている
年越してものびなかった蕎麦が怪しい
新年の綿埃がチリチリチリチリ焦げている
くちづけを割れた茶碗にするのだった
深いほど絡みおりけり土鍋のシラタキ
君の背は夜のアラビアだね
貴方の指はクロコダイルの夢ね
貴方は船で私はフジツボね秋の海
夜は液体化するの私の恋は ![]()
深き風呂に果てり
身も心も影も
便所にも春は来
餓鬼よ窓を叩け
鏡のせいである
蚊を殺す手で抱く
俺の目を吸うのか
刺すよアタシ蚊だもん
俺の目を縫うのか
行く先告げ蚊去る
俺の目が皿に
もう逢えぬと蚊泣く
君の髭を案ず
上司憎い寿司屋
後輩死んで天下
殺せとトナカイが
サンタさんが怖い
夜まるで墓穴
隣家燃えし初冬
不燃ゴミ拾いて
父が壁に潜む ![]()
母の夕餉キケン
母錆びて動かぬ
夜が母を襲う
祖母の乳房持ちて
祖父の首は何処に
兄と風呂で遊ぶ
毛穴に兄が居る
姉のオトコ箱に
妹泣くが無視
夜が巨大化する
舌を吸う果物
今それを出すなよ
この枇杷舌入れる
おーいと呼べど貝
なぜ行くか痩せ犬
影を踏みて独り
いちじく雨に恋
既に耳は攻めた
君を縫いし唾液
抱いてと空に言う
貴方丸めパクリ
こんな夜中に何もないから貴方を煮ている
あの背中に間もなく落とす唾液を密かに吟味す
ある思惑を持ちて熟成に及ぶ舌先
足先を洗うのはあの人を絡め盗る為の準備
あなたの耳にあの種を埋めたわ
紅をさしヤモリけけと鳴く夜伽
モノサシに籠めたる想い熱すぎて諮れず
何故に額が必要であるのか絵にも分からぬ夏蒲団
そこに寝ろお前に蓋して三分も待てぬ
タイル剥がして君を埋めてタイル貼って君を想うタイル綺麗
離れても繋がったまま夏の影法師
芋虫として生きる喜び芋の味
嗚呼あああ痣が動く夜になると
コオロギがさよならさよなら言うている
激しく生きたミミズが激しく腐っていく
残菊や去年からずっと夜が止まらない
あなたの舌で夜を拭って
夜融ける貴方を口にふくみたし
種屋さん彼が生える種はないの?
君に纏わりつきたし花粉として
君の指ねぶる野犬の吠ゆる宵
夜と犬と肉を交互に抱く
対の鳩濡れた窓より放ちけり
足跡がまだ温かい![]()
_________________________________(29分)
◇ギネマ Ginema
俳句志「もののふの会」に参加し少しずつ作品を作るが、
実は俳句の勉強はしたことがない下等俳人。
殺人やら自殺やら血なまぐさいことが絶えない家系で、俳句の環境は整っている。
「独演!俳句ライブ」は連続出演更新中。
賞無し罰有り。低学歴低収入。三白眼鮫肌。
▽ギネマ屋敷 http://www.ne.jp/asahi/hai/ten/ginemaarts1.htm
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